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公開確認会

「2015年公開確認会報告会」を開催 産地を確認し育む信頼と産直のこれから

2016年01月28日
パルシステム連合会は1月13日(水)、東京・千代田区の有楽町朝日ホールで「2015年公開確認会報告会」を開催しました。2015年に公開確認会を開催した6企画(9産地)について、生産者と消費者がそれぞれ、産地の状況や課題を報告し、会場にいるみなさんと生産現場への理解を深めました。

公開確認会は信頼関係を築きあう場

▲消費者と生産者がそれぞれ報告し共有

公開確認会報告会は、各産地で開催された公開確認会を、組合員と生産者それぞれの視点から振り返り、情報共有することを目的に毎年実施しています。今回は、2015年に開催した6企画(9産地)について、生産者、組合員あわせて15名が報告しました。

パルシステム新農業委員会の高野祐子委員長は会の冒頭で「農薬削減などがより厳しく求められる新エコ・チャレンジ基準を2014年に導入してから、初めての公開確認会となりました。この間の生産者のみなさんの努力に敬意を表します。天候不順やTPP交渉の進展など、国内農業を取り巻く環境が依然厳しいなか、生産者と組合員が信頼関係を築く本会の意義はたいへん深いものです」とあいさつしました。

また、報告後のまとめとしてパルシステム連合会の島田朝彰産直部長は「今年度は初めてパルシステム福島主催の公開確認会を開催でき、全体では会員生協から計195名の参加がありました。他産地の生産者が監査人として参加することで新たな気付きが得られました。今後も生産現場である産地への理解が進むよう、運営を改良しながら、社会情勢に即した公開確認会を開催していきます」と抱負を語りました。

各報告の概要は次の通りです。


「食べ物がその人を作っている」という思いをこめて―有機栽培あゆみの会

「安定的な生産までに10年以上かけて有機栽培に取り組んできた、という生産者の生の声を現場で聞くことで、さらに信頼が深まりました。チンゲン菜などの農産物をいとおしんで栽培しているようすが印象的で、産地を直に見ることの大事さを知りました」(監査人:パルシステム茨城・石井恵美子さん)

「東日本大震災に直面し、安心安全とは何か、を改めて問い直す経験をしました。初めての公開確認会でしたが、監査人である組合員からの指摘は、その新鮮な感覚にはっとさせられ、真剣さが伝わりました。事務局機能の見直しや技術の継承を図りながら『食べ物がその人を作っている』という思いをこめて、これからも生産していきます」(有機栽培あゆみの会・丸山訓さん)



土壌の温熱消毒を見学し、栽培の手間を実感―佐原農産物供給センター

「新エコ・チャレンジ基準に組織をあげて対応しており、除草剤が使えないことから草取りの作業が増え、栽培管理がさらに煩雑になるなどの労苦がうかがえました。エコ・ほうれん草のほ場では連作障害対策として土壌を温熱消毒するようすを見学し、手間をかけた栽培であることを実感しました。組合員から寄せられたメッセージカードが大切にファイリングしてありました」(監査人:パルシステム千葉・藤晶子さん)

「女性部や青年部が積極的に活動している産地ではありますが、他と同様に後継者の育成、今後の生産・労働力の維持には懸念があります。そのほかにも、販売力・多角化、製品率の向上、システム化の拡充など、取り巻く課題を整理し、ビジョンを明確にしていきます」(佐原農産物供給センター・五喜田和夫さん)



地域に根ざし「北信濃りんご会議」で事業を効率化―アップルファームさみず、サン・ファーム、青木農園

「3産地合同の確認会を2日間で実施し、いずれも成熟した産地で、中身の濃い内容となりました。生産者から『マニュアルはない』という発言があったのが印象的で、気候や生育状況によって日々判断を繰り返していました。共通の土壌を持つ3産地による『北信濃りんご会議』を活用し、地域づくりを含めた、発展を期待しています」(監査人:パルシステム東京・増子雅代さん)

「前回は2002年の開催で、2回目となります。公開確認会を通じて、私たち生産者が先代の考え方や時代背景を学び直し、理念を共有する機会であると改めて感じました。北信濃りんご会議では物流の一本化や商品企画開発をすすめています」(アップルファームさみず・山下一樹さん)

「TPP交渉が進展し、より一層、組合員との結びつきが必要と感じています。自主点検を進め、自ら描くビジョンを実践していきます」(サン・ファーム・堀口貞夫さん)

「2日間という厳しいスケジュールでの公開確認会でしたが、前回(2004年)と同様に、開催してよかったという気持ちです。自分たちの気持ちが引き締まりました」(青木農園・青木賢一さん)



減農薬が難しい果樹の分野で技術を追求―御坂うまいもの会

「4月に事前監査を実施した際は、桃の花がピンク色のじゅうたんのように一面に広がり、美しい光景でした。近年は海外への販路拡大や、後進への技術指導に力を入れ、女性部が組合員交流を担っています。減農薬が難しいうえに一年一作である果樹の分野で、真面目に努力し、新エコ・チャレンジ基準のもと高い技術を追求しているのがわかりました。こうして作られていることや購入する意味を伝えていきたいです」(監査人:パルシステム山梨・古家滋子さん)

「収穫物がまだ樹に残っている時期の開催で、出荷と重なりたいへんではありましたが、ありのままの産地を見てもらえたのではないでしょうか。年数をかけて農薬に頼らない土や樹づくりを継続しており、県からは有望な産地として認められました。新規就農者の受け入れ拡大や、温暖化に対応できる品種改良など、積極的に取り組んでいきます」(御坂うまいもの会・常田政年さん)



資源循環型の生産を貫き、自家飼料を給餌―ノーザンび~ふ産直協議会(宮北牧場)

「監査対象をコア・フード牛とし、繁殖・育成・肥育の一貫生産を行っている宮北牧場で開催しました。ここでは飼料の自給生産(牧草、デントコーン)も行っています。子牛は生まれてから約半年間は母牛の元で過ごし、健康な身体の基礎を育んでいました。資源循環型の生産であることを目の当たりにし、多くの人にコア・フード牛の予約登録をしてほしいと感じました」(監査人:パルシステム神奈川ゆめコープ・大橋美佳代さん)

「肉牛経営は出荷するまでに3~4年を要します。一年一産の自然繁殖を基本に、命を扱っているという思いを持って生産しています。TPPでは牛肉への深刻な影響が想定されていますが、消費者のためにと、厳しくも自給飼料を続けてきました。ともにこれからを構築し、次の世代へ、自信を持ってこの仕事を継がせられるようにしていきたいです」(宮北牧場・宮北輝さん)



品質向上に努める貴重な梨の特別栽培産地―うもれ木の会

「初めての公開確認会となりました。特別栽培の梨を生育している産地は全国的にも貴重であり、減農薬が難しい梨の生産者との互いの理解を深めました。セミが梨にとって害虫であることには驚きました。放射性物質の除染では、心のなかで『ごめんね、ごめんね』と誤りながら木の皮をはぐ作業をしたと聞き、ぐっときました」(監査人:パルシステム福島・今田君枝さん)

「農薬削減もたいへんですが、温暖化の影響による気候変動への対応に苦慮しています。組合員の質問からは、知りたいという気持ちが強く感じられ、うれしく思いました。消費者がほしいと思う時期に出荷することの大事さを改めて知る機会となりました」(うもれ木の会・高田薫さん)

「私たちは出荷作業を担い、生産者が栽培に集中できる環境づくりをしています。今回の公開確認会によって、グループ内での連帯機運がさらに高まりました。課題である品質向上に努め、設備投資を含め改善していきます。また要望のあった、ほ場の巡回記録についても体制を整えていきます」(うもれ木の会・佐藤恭輔さん)



開催119回となった公開確認会

パルシステムでは1999年から、組合員自らが産地を訪れ、生産者とともに栽培方法や生産物の安全性を確認する公開確認会を実施しています。これまでの通算開催回数は119回(開催産地:のべ132産地)を数え、のべ参加者数は5,043名となりました。監査人となる組合員は、事前に「監査人講習会」を受講することで監査手法を学び、消費者としてのレベルアップを図っています。
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