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公開確認会

「2014年公開確認会報告会」を開催 生産と消費の「共感の場」づくり

2015年03月03日
パルシステム連合会は1月14日(水)、東京・千代田区の有楽町朝日ホールで「2014年公開確認会報告会」を開催しました。2014年に公開確認会を開催した7産地について、生産者と消費者がそれぞれ、産地の状況と監査人からの指摘に対する改善状況などを報告しました。

公開確認会は「パルシステムの財産」

▲生産者と消費者がそれぞれ報告

公開確認会報告会は、それぞれの産地で開催された公開確認会を、組合員と生産者それぞれの視点から振り返り、情報の共有を目的に毎年実施しています。今回は、2014年に開催した7産地について、生産者、組合員あわせて17名が報告しました。

開会に際しパルシステム新農業委員会の佐々木博子委員長は「パルシステムの公開確認会は、1999年に開始してから15年が経ちました。産地へ赴くことで、見た目だけではない食の価値を、生産者と消費者が思いをひとつに考える大事な機会です」と話しました。

また、報告後のまとめとしてパルシステム連合会の横山博志産直・商品活動部長は「今年度の公開確認会には313名(うち139名が各会員生協の組合員の代表者)の参加がありました。公開確認会は"共感の場"であり、パルシステムの財産です。これまでの積み重ねが、今日のスマートで盛大な報告会の実現につながっています。公開確認会によって、さらに発展できるパルシステムとしたいです」と述べました。

各報告の概要は次の通りです。


おいしい牛乳を飲み続けるために―酪農家の牛乳・酪農家の低脂肪乳

埼玉県内において地産地消が成立している酪農産地です。丁寧な牛乳づくりがされ、畜舎は清潔でにおいもなく、乳牛のおだやかなようすが印象的でした。えさや飼育法の管理により、放射能対策を徹底されていることも分かりました。えさ代が高騰しても生乳の取引価格は上がらず、担い手不足に悩まされるなど、酪農を取り巻く現状は厳しいですが、安心でおいしい牛乳を飲み続けるためにも、学習し、買い支えていきたいです」(監査人:パルシステム埼玉・関口幸子さん)

「初めての公開確認会でしたが、たいへん実りのある会でした。生乳の風味を損ないにくい低めの温度で殺菌した牛乳は、より良質な生乳を確保し、短期間で製造しお届けする必要があります。衛生管理手法にはHACCPを取り入れ、結果は公表しています。これからも期待にこたえられるよう尽力していきます」(西武酪農乳業(株)・栗原清隆さん)

「消費者には生産現場を見てもらうことが大切です。酪農は重労働であり、ふん尿処理の問題など、厳しい状況でみな働いています。生産・消費・販売者が一体となって未来の酪農のための場づくりをしていきたいです。販売者である私たちは、品質面を支え、産直を強固にしていきます」(西武酪農乳業(株)・佐伯吾郎さん)



次世代の産直を作っていきたい―大紀コープファーム

「梅の栽培から加工まで、昔ながらの梅干しを一貫生産しているのが特徴です。農薬基準は奈良県の慣行栽培の半分以下に抑えるなど、急斜面での作業を含め、たいへんな努力をされていました。2日目は大雪のため圃場視察が出来ず残念でしたが、適切な生産、運営、管理が確認できました。地域での人材育成も評価できます。今の作り方を続けて欲しいと願っています」(監査人:パルシステム東京・倉堀文子さん)

「柿と梅が混在して植わっており、地域全体でポジティブリストに対応しています。残留期間の長い農薬を減らすなど挑戦と工夫を続けています」(大紀コープファーム・王隠堂正悟哉さん)

「地域で団結して有機農業を推進していくために、西日本有機農業生産協同組合を結成し、公開確認会では取り組み報告をしました。九州、中国、四国、関西の4つのブロックで今後の産地を担う役割を果たして行きます」(大紀コープファーム・風谷猛仁さん)

「2000年に公開確認会を実施してから14年が経ち、2度目の開催です。公開確認会は若手に引き継ぐための土台であると実感しました。時代とともに産直も変わる時期が来ているのかもしれません。次世代の産直を作っていきたいです」(大紀コープファーム・和田尚久さん)



立地にあった農業を評価―村悟空

「監査品目はエコ・大根でした。村悟空では遺伝子組換えでない種子を使用する方針があります。千葉県の特別栽培基準以上を目指し栽培されていました。土づくりには豚・牛・鶏糞などのほか、魚かすも使用するなど、海に近い地域ならではの実践も見られました。青年部や女性部会の活動も活発に行なわれていました。"おいしさ"とあわせて地域貢献に期待します」」(監査人:パルシステム千葉・佐藤尚子さん)

「前回から12年経ち2回目の開催です。よりよい評価をと、若干緊張して臨みました。立地にあった農業の取り組みを評価していただき、自信になりました。設立当初より生産者の数は増え、半分は若手です。環境へ配慮しながら、生産技術を高め、安定させていきます」(村悟空・瀧口精一さん)



地域の景観と環境を守る―JAいわて花巻

「中山間地に位置する東和地区は棚田が多く、生産条件が不利ななか、一等米90%以上の品質を保った米づくりに驚きました。こまめな見まわりをしながら環境保全型農業に注力しており、今後も地域の景観と環境を守り続けて欲しいです。もっと多くのお米を食べるよう呼びかけていきます」(監査人:パルシステム神奈川ゆめコープ・河西ゆかりさん)

「米づくりのために山々を削り、田んぼを作った地域です。猛暑のなか、重い草刈り機を背負っての移動はたいへんな作業ですが、真面目に米づくりを続けていきます。交流を始めて20年が経ちました。産地によって環境が違うことを理解してもらいながら、日本の文化と農業を守っていきたいです」(JAいわて花巻・小原君雄さん)



ひなからの一貫飼育と自家飼料―タカハシ養鶏場

「鶏インフルエンザ防疫の関係で、深谷市にある鶏舎見学が出来ず、さいたま市内で動画を見ての開催となりました。ひなからの一貫飼育を行い、えさは食べる直前に非遺伝子組換えの自家配合飼料を粉砕するなど、鶏の健康に対する熱意が伝わりました。ただ、開放鶏舎はすでに30年経っていることから、改築について、行政への政策提言も含め検討・計画して欲しいと思います」(監査人:パルシステム埼玉・関幸子さん)

「光と風が入る開放鶏舎のようす、品質管理の記録類も確認してもらい、初めての公開確認会でしたが、職員や組合員の思いが伝わりました。なお1日30トンにもなる鶏糞は、自社工場でたい肥化して同埼玉県内の産直産地で使用するなど、地域循環しています。鶏舎の建て替えは課題として取り組みます」(タカハシ養鶏場・髙橋光正さん))



酪農地帯での地域貢献型畜産―ノーザンび~ふ産直協議会

「酪農がさかんな釧路・根釧管内で、乳牛であるホルスタインの雄牛を肉牛として育てる地域貢献型畜産です。自給飼料の取り組みや古紙を活用した敷料、ふん尿処理など環境配慮も確認しました。長期的な事業継続は課題であり、生産側の努力やこだわりを消費者がより理解し協同していくことが必要だと感じました」(監査人:パルシステム神奈川ゆめコープ・島村聡子さん)

「畜産業界の専門用語をいかに伝えるか苦慮しました。自給飼料であるデントコーンの作付けは3年目になりましたが、近年はヒグマや鹿の獣害に悩まされています。離農が進みホルスタインの雄牛の肥育も厳しい時代となりましたが、産地の現状を伝えながら組合員の意見を受け止め、先を見据えた展開を目指します」(ノーザンび~ふ産直協議会・伊藤博さん)



種をまかない農家に未来はない―無茶々園

「海外研修生やIターンの人材も多く、人をひきつける力を持った産地です。この公開確認会のために急傾斜の農場に階段を作ってくれていたようで、感激しました。栽培基準や帳票も高度に適切に管理されており、農業をベースに地域で多方面に活動しているようすがわかりました」(監査人:パルシステム東京・文字悦子さん)

「生産者は記帳が苦手ですが、なかば強引に導入を進め、いまでは日々の作業内容をパソコンで記録できるようになっています。いつでも監査してもらえる体制です。より多くの産地が、積極的に公開確認会を行なって欲しいです。種をまかない農家に未来はありません」(無茶々園・宇都宮俊文さん)



開催123回を数える公開確認会

パルシステムでは1999年から、組合員自らが産地を訪れ、生産者とともに栽培方法や生産物の安全性を確認する公開確認会を実施しています。これまでの通算開催回数は123回を数え、のべ参加者数は4,848名となりました。監査人となる組合員は、事前に「監査人講習会」を受講することで監査手法を学び、消費者としてのレベルアップを図っています。
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