「産地へ行こう。」ツアー

パルシステムでは、2010年度の「産地へ行こう。」ツアーを引き続き「100万人の食づくり」運動の一環として位置づけました。泊りがけで産地を体験する「産地へ行こう。」ツアーや近郊産地での収穫体験といった日帰り企画までさまざまな企画を計画し、合計で年間2万名の組合員が産地を訪れることをめざします。
命を育む食の生まれ故郷を訪ねる「体験」と「発見」を通して、産地生産者と生協組合員が「顔の見える関係」で信頼と交流を深め、産地で食べ物の大切さを実感します。そのうち「産地へ行こう。」ツアーでは、2010年度は19の企画を予定しています。
7月10日(土)、11日(日)の2日間の日程で開催された「産地へ行こう。瀬戸内・恵みのしらすツアー」は、パルシステムの組合員20名が「漁師がつくった釜あげしらす」「旬・漁師がつくった釜あげしらす」の産地、愛媛県松山市の(株)森水産と(有)カネモを訪れました。こちらの産地へ組合員が訪れるのはパルシステムでは初めてです。最盛期を迎えるしらす漁や加工場の見学、産地のみなさんとの交流を通して新鮮なしらすのおいしさを味わいました。
カネモ加工場でプロの細かい手仕事を見学
初日はまず、選別・袋詰めを行うカネモの加工場を訪れました。異物除去は探知機も使っていますが、最後に頼るのは人の目だそうです。海藻や他の種類の稚魚など、機械で選別できないものをプロの細かい作業によって選別されていました。この日は、新商品の「旬・漁師がつくった釜あげしらす」を加工していました。
通常しらすは漁獲・釜あげしたものをいったん全て冷凍し、年間通して解凍してから選別・袋詰めされますが、旬の時期限定とすることで釜あげ後の冷凍工程をなくしました。一般的に水産加工品は漁獲から最終加工まで複数の業者がかかわりますが、漁獲と釜あげ工程を森水産、選別や袋詰め販売までをカネモと、同じグループ会社によって一貫して生産できることで実現させることができました。
漁船に乗って間近で見学!旬のしらす漁を体感

次は、漁船に乗ってのしらす漁見学です。海上での漁見学はなかなかできません。漁場が港から肉眼で船が確認できるくらいの近さにあることなどの好条件と、繁忙期にも関わらず歓迎してくださった産地の厚意で実現しました。
しらす漁は魚群を探す船、網をつないで引く船、そして網に入ったしらすを港まで運ぶ運搬船のチームワークで行われます。船は港を出発して5分ほどで漁場へ到着し、運搬船がしらすのたくさん入った網を船に引っ張り上げる様子を、その船に横付けするような近さで見学しました。
機械で巻き上げると時間がかかり鮮度が落ちてしまうため、漁師のみなさんは自らの手で海中から引き上げます。大漁ときは網の重さは200kgにもなるとのことです。また、小さすぎるしらすまでとりつくしてしまわないよう、漁で使用する網は目の粗いものを使用しているそうです。
漁獲後はすぐに釜あげ!森水産加工場を見学

運搬船はすぐに港へ向かい、港直結の森水産加工場内でしらすを釜あげ(茹でる工程)します。塩加減や茹で時間にこだわった加工場では、漁獲したばかりのしらすがもう釜あげされていました。漁獲から加工までのスピードと試食したしらすの味に参加者はびっくりしたようすでした。
その後の学習会では、パルシステムの水産方針と、カネモ、森水産両社の社長を務める森敬一さんから、しらすへの思いなどを聞きました。夕食交流会でも、森社長をはじめ漁を終えた若い漁師のみなさんなどが駆けつけ、とれたてのしらすをはじめ瀬戸内の海の幸を囲んで参加者と交流を深めました。
海岸清掃で海を守る活動のお手伝い

2日目の朝は、港の近くの海岸を清掃しました。産地では海の環境や資源を守るため、定期的に海岸を清掃しているそうです。陸からのポイ捨てや海から流れ着いたゴミなど、掃除をしてもすぐにたくさんのゴミがたまってくるとのことでした。産地への恩返しと、海を一緒に守ろうという思いで参加者たちは一生懸命ゴミを集めました。
その後、しらすづくしのレシピを教わりました。ごはんに炒りたまご、釜あげしらすをのせるだけの「かまあげどんぶり」は漁師の定番メニュー。ほかにもしらすの汁物や佃煮などが紹介されました。
参加者からは「釜あげするまでの時間と冷凍回数でこんなにも味がかわるとは思いませんでした」「とれたてのうちに加工する新鮮さのすばらしさを感じました」などの感想がありました。