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「2011年公開確認会報告会」「第19回農法研究会」を開催 農業と農地をともに育み次世代へ引き渡そう!

パルシステム連合会は1月13日(金)、東京・千代田区のサイエンスホールで「2011年公開確認会報告会」と「第19回農法研究会」を開催しました。農法研究会では、農地や農作物における放射能低減の取り組みが紹介され、参加したおよそ300名の高い関心を集めました。
通産開催回数100回を超えた公開確認会

会場の様子
パルシステムでは1999年から、組合員自らが産地を訪れ、生産者とともに栽培方法や生産物の安全性を確認する「公開確認会」を実施しています。2011年は7産地を対象に実施し、通算開催回数は103回となりました。
2010年度からは、会員生協とパルシステム連合会の共催で地元産地を中心とした開催もスタートし、より多くの組合員が参加できるしくみとしました。2011年は634名が参加し、これまでの参加者数は4,211名となりました。
監査人となる組合員は事前に、監査人講習会を受講して監査手法を学びます。講習会のの修了者数は、累計で初級2,242名、中級900名となり、あわせて3,142名となっています。
組合員と生産者それぞれの視点から報告

公開確認会報告会
公開確認会報告会は、それぞれの産地で開催された公開確認会を組合員と生産者それぞれの視点から振り返り、情報の共有を目的に毎年実施しています。今回はあわせて18名がそれぞれ報告しました。
組合員からは「気候の影響を受けるなかで、安定的な生産を続ける苦労を知りました」「内部監査体制や栽培記録の整備がきちんとなされていました」「資源循環の先進的な取り組みに驚きました」などの評価が多くを占めました。
生産者からは「初めての開催でしたが『もっと交流したい』との思いが強まりました」「商品には表れない取り組みも知ってもらえる機会となりました」「受けた指摘を課題とし、現在改善に取り組んでいます」などの感想や報告がありました。
2011年度開催の公開確認会の詳細
放射性物質「これならゼロめざせる」と確信

ジェイラップ伊藤社長
続いて開催した農法研究会は生産者を招き、放射能低減に対する取り組みを報告してもらいました。福島県の生産者団体ジェイラップの伊藤俊彦社長からは「汚染元年、放射性物質と稲作」と題し、2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故以降の対応について話を聞きました。
放射性セシウムは、カリウムと同様に体内へ取り込まれるといいます。そこでジェイラップでは、米を栽培する97ha、341ほ場すべてを対象に10aあたり6kgのカリウムを施肥し、米を栽培しました。その後、田んぼ1枚当たり6カ所から収穫前にサンプルを採取、検査しました。その結果、平均で1kgあたり平均3.1ベクレルと、低い結果となっています。
サンプル採取は施肥が届きにくいほ場内の4隅と中央2カ所を採取しています。それらを比較した結果、カリウムが十分行き届かなかったと思われる隅に比べて中央部の測定値は明らかに低いことが判明しました。伊藤さんは「生産者の間では『これなら今年はゼロをめざせるな』と確信を深めています」とし「土壌の汚染が高くても稲に移行しない農業は可能ではないでしょうか」と提起しました。
このほかジェイラップでは、ほ場の土壌表面を反転させ放射線量を低減する実験に着手しています。測定によると、土壌の表層から10cm以内に90%近いセシウムが残存していたそうです。そこで表面から25cmを反転させたところ、空中線量が大幅に低下したとの結果が得られました。「子どもの通学路など居住地域周辺で展開すれば、住民、生産者の作業環境も改善できます」と期待しています。
食用油で土壌改善と自給率向上を実現

民間稲作研究所の稲葉理事長
次にパルシステムの産直産地、民間稲作研究所の稲葉光圀理事長が「大豆・ひまわり・菜の花プロジェクト」について報告しました。同産地では、汚染されたほ場に大豆やひまわり、菜の花を作付し、放射性物質が移行しにくい食用油へ加工することで、農地の放射性物質低減を図っています。
稲葉さんはまず、米への放射性物質移行について「当初は移行係数が0.1(100ベクレルの土壌であれば10ベクレルを吸収)といわれていましたが、実際に測定すると0.01とひとケタ低いことが分かりました。不安のなかでの栽培でしたが、自然の力を生かした有機稲作の優れた一面だと感じています」と話しました。
ひまわりによる実験は、福島県内のほ場で行われました。政府の発表は放射性物質の低減に懐疑的な見解でしたが「花開期に採取した政府実験と、成熟期に採取した当実験と結果に差が出ています。ひまわりは花開期後にカリウムを吸収するため、セシウムも同様に移行するのではないでしょうか」との仮設を述べました。
さらに、収穫したひまわり種から油をしぼっても油へはほとんど放射性物質が移行しないことも分かりました。「栄養分析でもカリウムは含まれていないため、大豆油やナタネ油も同様と考えられます。今後はナタネ、大豆、ひまわりの輪作を実施することで土壌中の放射性物質を低減させるとともに、食用油の自給率向上に寄与できます」と今後を展望しました。
最後にパルシステムの放射能対応について報告した高橋宏通産直推進部長は「パルシステムもこれらの取り組みを評論家として受け止めるのではなく、除染と吸収抑制を柱に最大限の支援を行っています。汚染された土壌を原発事故前の状態に戻し、将来の世代に渡しましょう」と参加者へ呼びかけました。

