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産地で「体験」「発見」

パルシステムの産地交流

コア・フードほうれん草を対象に「野菜くらぶ公開確認会」を開催 有機栽培や加工食品など「農業の新しいカタチ」に挑戦

パルシステムは11月29日(月)、群馬県昭和村の昭和村公民館にてコア・フードほうれん草を対象とした「野菜くらぶ公開確認会」を開催しました。野菜の生産だけでなくこんにゃくや漬物などの加工食品の製造工場も視察し、生産、加工が一体となった産直の取り組みを生産者と確認しました。

パルシステム群馬主催で実施しました

「野菜くらぶ公開確認会」は11月29日(月)、群馬県昭和村の昭和村公民館にて開催されました。パルシステム連合会の開催で1999年度から始まった公開確認会は、2010年度からは会員生協主催でも実施しています。今回は地元パルシステム群馬が主催し、同生協組合員のほか他地域のパルシステム生協組合員、役職員、生産者など154名が参加しました。

開会に際し、主催者を代表してあいさつしたパルシステム群馬の田中三千夏理事長「今日の公開確認会を明日のパルシステム、明日の日本の農業を支える1日にしましょう」。パルシステム連合会の高橋宏通食料農業政策室長は「産直産地には価格で評価できない価値があります。そのことを知り、生産者と消費者のきずなを深めてください」と話しました。

産地の野菜くらぶからは澤浦彰治社長が「見て、感じて、前向きな農業の発展につながることを期待しています」。来賓として出席した昭和村の加藤秀光村長は「昭和村では、先人が残した自然と環境を生かした農作物を作っています。笑顔あふれる農業とするために、すばらしい公開確認会としてください」と期待しました。

組織が連携した確実な生産体制

開会後、ほ場と施設を視察しました。視察したのは、コア・フードほうれん草のほ場と、パルシステムオリジナル商品「コア・フードこんにゃく」を製造しているこんにゃく工場、「産直野菜で作った糖しぼり大根」などを製造する漬物工場です。

コア・フードほうれん草のほ場では、10月に種をまき、あと2週間程度で収穫される区画を訪れました。化学肥料を使用すればすでに収穫できる大きさまで育つそうです。生産者は「土中の成分を分解する微生物の活動が活発になるためには、気温がある程度暖かくならなけばいけません」と生きものとの共存が不可欠な有機栽培農業について説明しました。

野菜くらぶでは、独自の栽培自主基準に基づき、野菜を生産しています。全体の出荷を見据えてそれぞれのほ場へ品種や数量を発注する「生産工程管理責任者」が「生産工程管理者」(生産農家、農業法人)へ生産工程の内部規定を提示し、栽培内容については生産工程管理者が「格付責任者」へ日報を提出します。日報に基づき、格付責任者が「コア・フード」「エコ・チャレンジ」などの区分を行っているそうです。これにより、確実な生産体制を構築しています。

原料区分と衛生管理を徹底した加工場

こんにゃく工場では「コア・フードこんにゃく」を製造するため、原料の区分管理を徹底していることが説明されました。「凝固剤は貝殻カルシウム、機械の洗浄には酢を使用し、食品の安全性を高めています。また、従業員にも商品への高い理解を求め、大規模工場ではできない製造を実現しています」とのことでした。

漬物工場では、衛生管理の取り組みを中心に質疑応答が行われたほか、原料の安定した調達のためパルシステムの産直産地から時期にあわせた入荷を実施していることなどが説明されました。

「感動農業、土づくり、人づくり」の実践

再び会場の昭和村公民館に戻り、プレゼンテーションが行われました。プレゼンテーションに先立つプロローグでは、野菜くらぶ創業に携わった3名の生産者によるトークセッションが行われ、ある雑誌に由来する名称やファクスによる受発注体制への驚きといった当時のエピソードが紹介されました。3名の生産者から始まった野菜くらぶは現在、生産者数58名まで拡大し登壇した3名とも、息子が後継者として育っているとのことでした。

産地からのプレゼンテーションは、毛利嘉宏専務による会社概要、澤浦社長による経営理念である「感動農業、土づくり、人づくり」の紹介からはじまり、各担当から適地適作の通年出荷体制、独立支援プログラム、独自に定める「QPMS(品質生産管理方式)マニュアル」などの説明がありました。

独立支援プログラムの紹介では、青森や静岡に就農した生産者も駆けつけました。青森に就農した生産者は数年前、強風でレタスが砂まみれになり、農業を続けていく心が折れそうになったときを振り返り「パルシステムからは『そういう野菜を届けるのが私たちの使命』と言われ、組合員からも『おいしくいただきました』との手紙をもらいました。食卓が笑顔で囲われ、会話も弾ませることができる野菜を作りたいです」と話しました。

苦労が報われ好評だった「朝獲れレタス」

次にパルシステム群馬のプレゼンテーションを中嶋義幸専務理事が行いました。パルシステム群馬では、野菜くらぶへの産地見学会を継続的に実施しており、2010年はのべ236名が参加しました。

また、地産地消の取り組みとして7月から9月にかけて、センター限定ながら朝収穫したレタスをその日のうちに届ける独自商品「朝獲れレタス」を企画し、好評だったことなどが報告されました。

その後行われた質疑応答では、監査人などから「格付区分の仕組みを詳しく説明してください」「後継者はどれくらい育っていますか」「食品加工のメリットはなんですか」など、活発な意見交換が行われました。

そのなかで澤浦社長は、食品加工について「加工場を持つためには投資が必要であり、リスクを伴います。商品開発や安定した生産など農作物の生産とまったく異なるノウハウが必要です」と答えました。

担い手づくりやビジネスモデルに期待

監査人からの所見は「栽培方法や栽培基準、マニュアルなどが整備され、内部監査もしっかり機能している印象でした」「交流を大事にしている姿勢と農業への熱意に、胸がいっぱいになりました」などの感想があげられました。

またアドバイザーとして参加した有機JAS認証機関リーファースの水野葉子代表は「『感動農業』の理念どおり、感動的な公開確認会でした。チームワークやパルシステム群馬との関係がすばらしく、参加できなかったみなさんにも伝えてほしいと思います」と総評しました。

有識者として参加した千葉大学大学院の斉藤修教授は「コミュニケーションネットワークが充実しており、議論した結論を実行するすごさがあります。こうして次々に生まれる新しいビジネスモデルが新しい農業の担い手をつくり、次の革新を生んでいくのではないでしょうか。次の戦略は、加工や資源循環のレベルを上げることにあるでしょう。生協を支援するプログラムにも期待します」と話しました。

最後にまとめとして高橋室長は「モノだけでなく産地の努力などの情報を届けなければならないことを感じました」。澤浦社長は「熱心に監査するみなさんの姿に感動しました」。中嶋専務理事は「多くの組合員のみなさんに産地を訪れてもらい、楽しく地域を元気にする活動を進めます」とのあいさつがありました。

生産者と消費者の二者が相互理解図る公開確認会

パルシステムでは、食の安全の確保と、環境保全型農業の推進に向け、産地での栽培や生産履歴を生協組合員と生産者がともに公開の場で確認しあう「公開確認会」を1999年より実施しています。また、産直産地や地域行政、会員生協などとともに産直協議会を設立し、活動しています。それぞれの組織が連携し、産直交流や産直加工品の開発、環境保全型農業の推進を通して、地域の活性化をめざしています。

公開確認会は、商品が基準どおりに作られているか透明性を持って組合員に公表することにより、産直関係の絆をより強固なものにしてきました。また産地にとっては、内部の栽培管理体制を整え、農法レベルの向上を促す契機となるものです。





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