パルシステムでは、食の安全の確保と、環境保全農業推進に向け、産地での栽培や生産履歴を生協組合員と生産者がともに公開の場で確認しあう「公開確認会」を1999年より実施しています。
公開確認会は、商品が基準どおりに作られているか透明性を持って組合員に公表することにより、産直関係の絆をより強固なものにしてきました。また産地にとっては、内部の栽培管理体制を整え、農法レベルを促す契機となるものです。
今回は、6月30日(水)、7月1日(木)の2日間、「パルシステム・秋田南部圏食と農推進協議会」(秋田南部圏協議会)にて、JA秋田ふるさとで生産するコア・フード米について確認しました。パルシステムの生産者や監査人を含む組合員、役職員153名が参加しました。産直協議会での公開確認会は、初めての開催となります。
秋田南部圏のブランドづくりによる地域活性化活動
パルシステム連合会では、産直産地や地域行政、会員生協などとともに産直協議会を設立し、活動しています。それぞれの組織が連携し、産直交流や産直加工品の開発、環境保全型農業の推進を通して、地域の活性化をめざしています。
秋田南部圏協議会は「米」を中心にした食づくり、地域づくりを推進しています。また、秋田南部圏特有の農産物、農産加工品を掘り起こし、秋田南部圏地域を身近に感じられる商品企画を提案しています。秋田南部圏の多くの生産者に協議会活動への参加・参画を呼びかけ、地域農業の活性化につなげています。また、都市と農村の交流では、一般的な観光旅行とは違うグリーン・ツーリズムの視点を重視し、企画づくりを進めています。
生産者と消費者関係を深め応援していく

開会に当たり、受け入れ産地代表として秋田南部圏の岩井川光雄会長と五十嵐忠悦横手市長からあいさつがありました。パルシステム連合会の若森資朗理事長は「米は日本の食料自給率アップを果たす中心的役割があり、米のおかれている状況を理解しなければなりません。米の価値を改めて共有し、組合員に米の意味を伝える運動を強化していきたいと考えています」と述べました。
また、パルシステム千葉の平野都代子理事長は「6次産業化は、生産者と消費者がきちんとかかわることが大切です。これからもっと生産者・消費者の交流を深めていきたいと思います」と今後の方向性を語りました。
生産者と消費者関係を深めて、産地を理解し応援していく

続いて事前監査の報告と産地のプレゼンテーションが行われました。また、交流報告としてパルシステム千葉とパルシステム東京から、それぞれ民泊交流、田植え・稲刈り交流の報告がありました。
パルシステム千葉では2009年度から、独自チラシで秋田南部圏の商品を供給しています。交流の一環である民泊交流は、組合員に農業を体験してもらい、農村の生活や秋田の文化と歴史を知ることを目的としています。
パルシステム東京では、産地交流の様子や、田植え後の圃場の様子を写真と現地からのコメントを加えて産直ブログで情報を提供しています。そして「これからも交流を通じて、生産者や生産地の応援をしていきます」と報告がありました。
プレゼンテーション終了後、生産者と組合員監査人による帳票監査が行われました。中級監査人講習会の監査人による事前監査での課題を確認し、産地の生産に対する思いなどを共有しました。懇親会では、秋田県の地元食材料理や農商工が連携して開発した「こまち麺」(米麺)の試食もあり、秋田の文化や歴史に触れました。
単位農協初の施設「農産物総合分析センター」

2日目は、全国の農協では初めての施設であるJA秋田ふるさとの農産物総合分析センターを見学しました。農産物総合分析センターは分析業務を通じて消費者に安全・安心を提供するため、県内産すべての農産物を対象に総合的な成分分析を行います。
玄米を対象に分析するカドミウムや、品質・食味の分析に残留農薬分析、水質検査、衛生管理検査、土壌分析の6項目を独自に分析しています。検査結果は次年度の生産に役立てられます。
田んぼの視察では、有機農法(アイガモ農法)による農薬を使わない栽培方法について説明を受けました。アイガモ農法ではアイガモが雑草や害虫を食べ、ヒレで土をかき回すことにより、雑草が育たないようになります。また、糞は肥料にもなります。以前は米ぬか除草という方法が主流でしたが、最近はアイガモ農法の採用が増えているとのことです。
監査人報告では農商工連携などが評価く

監査人報告として、パルシステムの農産子会社である株式会社ジーピーエスの野村和夫常務取締役は「農商工が連携した『こまち麺』(米麺)や産地と共同開発したパルシステム千葉の『まごころ便』は素晴らしい取り組みです。また、農業を活性化するための商品づくりや農営事業の積極的姿勢は評価したいと思います」と話し、産地の取り組みについて評価しました。
また、組合員監査人からは「監査品目(米)について監査マニュアルをもとに確認するだけでなく、さらに、自分の目で確認できてよかったです」と語るなど、産地の安全安心に取り組む姿勢への評価、感謝の言葉が述べられました。
公開確認会のまとめとして、パルシステム千葉の下地通太専務理事は「2008年秋のリーマンショックから購買志向が薄れ、国産志向は安さ求める方向へ変化しています。それでもパルシステムは安全性や環境を第一に考えていきます。また、本日本音の議論が出来たことは、公開確認会として評価できます」と述べました。
最後に、産地受け止めとして、JA秋田ふるさとの高橋久志営農経済部長は「これから安心安全のために、農産物分析センターをいかに活用するか考えていきたいと考えます。高い評価や励ましの言葉があり、感謝しています」話しました。